2022年をふり返ると、正直、私は少し驚いていました。何か特別なことをした覚えはありません。ただ、目の前に来てくださった方に喜んでもらう。その一点だけを続けた一年でした。それなのに、気づけば数字も手ごたえも、後から静かについてきていたのです。今日はその一年で私が体で覚えたことを、そのまま書いてみます。
311人に、ストーリーを贈った一年
2022年は、私にとって大きな飛躍と学びの年になりました。いろいろなことがありましたが、実務の面で一番はっきり残っているのは、ストーリー構築の腕を磨けたことです。
数えてみると、この一年で311件の個別セッションを行っていました。311人の方と向き合い、その人だけのストーリーを贈ってきた、ということになります。
一件ずつは、決して派手な仕事ではありません。来てくださった方の話をじっくり聞いて、その人が歩んできた道のなかから、大事な一本の線を一緒に見つけていく。ただそれを、お会いした数だけ、くり返してきました。数字にすると311という数になりますが、私の実感は「311回、人の物語に触れた」という感覚に近いです。
目の前の人に徹したら、経済は後からついてきた
この一年で一番大きかったのは、実は数字そのものではありませんでした。とにかく目の前の人に喜んでもらうことに徹していたら、経済は後からついてくる。それを、頭ではなく体で分かったことです。
正直に言えば、私も昔からこう考えられていたわけではありません。会社員を27年続け、48歳で独立しました。独立したてのころは、やはり売上が気になります。この一件で、いくらになるだろう。今月はどこまでいくだろう。そういう計算が、どうしても頭の片隅にありました。
ところが、目の前の方と向き合っているときに数字のことを考えていると、不思議と、その方の話が入ってこないのです。相手の物語ではなく、自分の都合のほうを見てしまう。それでは、その人だけのストーリーなど贈れるはずがありません。
だからある時から、セッションの間だけは、数字をいったん脇に置くことにしました。この方に喜んでもらうには、どうしたらいいか。今日この場で、私にできる一番いいことは何か。それだけを考える。すると、目の前の方の表情が変わる瞬間に、立ち会えるようになっていきました。
面白いもので、そうやって一人ひとりに徹していくと、経済のほうが後から静かについてきました。順番が逆だったのだと思います。数字を追いかけて人に向き合うのではなく、人に向き合っていたら数字がついてくる。この順番を、311回のセッションが私に教えてくれました。
もちろん、今でも迷うことはあります。数字がまったく気にならない、と言えば嘘になります。それでも、迷ったときに立ち返る場所ができました。「目の前のこの人に、ちゃんと喜んでもらえているか」。そこさえ外さなければ、大きくは間違えない。今はそう思えています。
量が、質を高めてくれる
「量が質を高める」という言葉があります。この一年で、私はその意味を身をもって知りました。
311人の方と向き合ってきて、今では、ほんの少し会話をしただけで、その方のストーリーと大事なポイントが、手にとるように分かるようになってきました。最初からこうだったわけではありません。一件、また一件と重ねるなかで、少しずつ体に染み込んでいった感覚です。
これは、才能やセンスの話ではないと思っています。目の前の一人に本気で向き合う。それを、逃げずにくり返す。その積み重ねが、いつのまにか腕になっていた。ただそれだけのことです。
感動ムービー®でも、私が大切にしているのは同じことです。立派な機材やうまい見せ方より前に、まず目の前のその人の物語を、ちゃんと受け取れているか。人は、理解し合うことで幸せになれる。そう信じているからこそ、一人ひとりのストーリーに手を抜きたくないのです。
あなたの物語も、きっと誰かの心を動かす
ここまで読んでくださった方のなかにも、日々、目の前の仕事に地道に向き合っている方がいらっしゃると思います。成果がすぐには見えなくて、これでいいのだろうかと迷う日もあるかもしれません。
それでも私は、すべての人生は物語だと思っています。そして、あなたの物語も、きっと誰かの心を動かします。派手さはいりません。目の前の一人に喜んでもらう。その一回を、ていねいに積み重ねていく。私自身が311回かけて教わったことを、もしよければ、あなたにも渡せたらと思います。
新しい一年も、私はまた、目の前の方の物語に一つずつ向き合っていくのだと思います。もし、自分の物語を一度言葉にしてみたいと感じた方がいれば、体験セッションでお会いできたらうれしいです。あなたの一本の線を、一緒に探しましょう。


























