「過去の選択ひとつひとつに、ちゃんと意味があった」保育士が動画制作で気づいた、出会いへの感謝

30年近く幼児教育の世界で働きながら、我が子とゆっくり関わる時間が持てなかったという寺井よしみさん。オンラインでの出会いをきっかけに、子育てに悩むお母さんたちを支える「心日学校」を主催するまでになりました。今回、自身の人生をたどる感動ムービーの制作を通じて見えてきたものについて、お話を伺いました。

子育てを「ひとりの問題」にしたくなかった

寺井さんは現在、保育園で働きながら、オンラインでお母さんたちの学びの場「心日学校」を主催しています。きっかけは、保育園で出会うお母さんだけでなく、もっと多くの人が同じように悩んでいるのではないかと感じたことでした。

「オンラインだとそれぞれの方のタイミングでお会いすることができるし、そういう子育ての場を作りたいなと思って」。そんな思いから、心日学校が生まれました。

寺井さんが大切にしている考え方は、子育てを母親ひとりの責任にしないことです。「みんなで支えるのが当たり前の環境になっていないから、お母さんが悩むんですよね」と話します。母親が学んでいないからでも、子どもが他の子と同じようにできないからでもなく、周りのフォロー体制ができていないことが本当の課題だと考えているそうです。

「企業の世界は怪しい」と思っていた

意外なことに、寺井さんはもともとオンラインの世界に強い警戒心を持っていました。「オンラインの中にいる人は多分悪い人しかいないぐらいに思ってた」と笑いながら振り返ります。声をかけてくる人は詐欺に違いないと感じていたほどだったといいます。

そんな寺井さんが心を開くきっかけになったのが、ライブ配信「いとすけの部屋」を主催するいとすけさんとの出会いでした。最初は「なんなんだ、怪しげだ」と思っていたそうですが、関わるうちに印象が変わっていきました。

実生活でも人を集める力があると自分でも感じていた寺井さんですが、オンラインでも同じように良い人たちが周りに集まってくることに気づいたといいます。「オンラインでも実際の生活でも同じなんだって、やっと気が付いた」。この気づきが、今の活動を大きく後押ししました。

71回の撮り直しに込められた思い

心日学校の活動が広がる中、寺井さんは自身の半生を振り返る感動ムービーの制作に取り組みました。最初は画面に向かって自分のことを話すことに強い苦手意識があり、イラストでの紹介を希望したそうです。

「作ってみると、できた後のことじゃなくて、作る過程がすごく大変だけど、私自身はすごい楽しくて」。過去を振り返る作業を通じて、忘れていた記憶や、当時どんな選択をしてどう考えていたかを深く掘り起こすことになったといいます。

「今の自分にたどり着くまでにどんな人に出会って、どんなタイミングがあったか」を見つめ直す中で、出会った人たちへの感謝の気持ちが大きく深まったと寺井さんは語ります。「忘れちゃいけないな、皆さんに助けてもらってここまで来てるなって。すっごい大事なことを思い出させていただいて」。

ムービーのナレーションを担当したのは、寺井さんが別の動画で声を聞いて「ぜひこの方に」と願った方でした。希望どおりの依頼を受けてもらえたものの、なんと70回以上の撮り直しを経て完成したそうです。寺井さんは「相当な思いと体力がないとできないこと」と、その労力に深く感謝していました。

周りの「わっしょいわっしょい」に気づいてほしい

公開された感動ムービーへの反響について、寺井さんは「自分のことを知ってる方々が、言ってることがこんなにコンパクトにまとまっていてよくわかるって言ってもらえた」と話します。一方で、それまで知らなかった人からも、共通点を見つけてもらえたことが嬉しかったといいます。

「普段付き合いしている人でも、過去のことを根掘り葉掘り話す機会ってそうないから、ほとんどのことがお互いに知らないんですよね」。8分ほどの動画を見ただけで、知らなかった一面に触れてもらえることが、このムービーの価値だと寺井さんは感じています。

今、寺井さんが伝えたいのは、ひとりで悩んでいるお母さんたちに向けたメッセージです。「本当は周りに助けてくれる人がいっぱいいるんだけど、気がついていないだけなんだよ、ということを伝えていきたい」。みんなで支え合えば、子育ての辛さはきっと楽しさに変わっていく、というのが寺井さんの信念です。

「指先の1ミリ先に、未来がある」

これから感動ムービーの制作を考えている人に向けて、寺井さんはこんな言葉を残してくれました。「自己分析ってこういうふうにやるといいんだなというのを、すごく実感した」。

インタビューの最後に、寺井さんはいとすけさんから教わった言葉を紹介してくれました。「立ち止まる時って、ありますよね。その時に、全力で手を伸ばした指先の1ミリ先に夢のゴールがあるって言うんです」。

今、何かに立ち止まっている人に向けて、寺井さんは「私がそのお手伝いができるなら、一緒に手を伸ばしてチャンスをつかみましょう」と呼びかけています。


プロフィール 寺井よしみ様 保育士/子育てコンシェルジュ 保育園での勤務歴は長年にわたる。オンラインでは「心日学校」を主催し、子育て中の母親同士が学び合い、支え合うコミュニティづくりに取り組んでいる。

この記事を書いた人
感動ムービー編集部(株式会社感動ムービー)
公開日: 2026年6月20日 / 最終更新日: 2026年6月18日

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