「これ、誰も聞こうとしませんからね」。伊藤道一郎様は、笑いながらそう振り返ります。何度も話してきたはずの自分の半生が、感動ムービー®というかたちになったとき、家族の反応はこれまでと違うものでした。4年の浪人生活、東京での苦労、そして数々の人との出会い。その物語が、わずか8分の動画にまとまったといいます。
何度も話してきたはずの自分の話が、誰にも伝わっていなかった
伊藤様は、熊本県出身の歯科医師です。骨が少なく治療が難しいとされるインプラント症例を専門に手がけ、現在は熊本でクリニックの委員長を務めています。
長年、長崎で開業していた時期もあり、その道のりには4年間の浪人生活や、東京に出てからの苦労、家族との学生結婚など、多くの出来事がありました。しかし伊藤様は、こうした話を周囲にうまく伝えられていなかったと話します。
「なんで今やってるのとか、こう話し出すとついつい話が長くなっちゃいますからね」。お酒の席で語っても、「それ聞いたの10回目だよ」「それ100回目だよ」と言われることもあったそうです。誰かに正確に伝えたい思いはあっても、形にする方法がなかったといいます。
知人の紹介から始まった、思いがけないご縁
伊藤様が感動ムービー®を知ったきっかけは、世界を旅する知人女性からの紹介でした。「杉本さんという、世界を旅する、今はコスタリカにいるお姉さんのご縁」だったと振り返ります。
そのご縁がきっかけとなり、伊藤様自身の半生を動画にするプロジェクトが始まりました。「本当にスムーズにいい感じの形で完成しました」と話す通り、制作は大きな迷いや戸惑いもなく進んでいったようです。
伊藤様には、自分史をまとめたいという思いがもともとあったといいます。一般的には本にする方法もありますが、伊藤様はその選択をしませんでした。「知らない人の自叙伝ってなかなか興味がわかないですからね」。実際、伊藤様自身も他の方からもらった自叙伝を一度も読まずに本棚に並べていたといい、先日スタッフと部屋を片付けた際にはまとめて処分したそうです。「1年以上読まない本は全部捨てました。おそらくそういう結果になるんじゃないかなと、私は思ってね」。本という形を選ばなかったことを、後から納得する出来事だったといいます。
インタビューで「忘れていたこと」がどんどん引き出されていった
制作の過程で印象に残っているのは、聞き手から重ねられる質問の中で、自分の中の出来事がつながっていく感覚だったと伊藤様は話します。
「なんでそうしたんですか、きっかけは何でしたか。いろいろ質問してもらった」ことで、ひとつひとつの事実が結びついていったといいます。「なるほど、だから俺こうやったんだ、みたいな。いろんなことがつながって、一緒に話がつながっていく感じがすごいありましたね」。
その代表的な例が、ある高校のポスターをきっかけにした出会いです。長崎で開業していた頃、来院した患者がたまたまそのポスターを見て、「先生はこの高校のご出身ですか」と声をかけてきました。そこから、東京で会社を経営する同じ高校出身の人物がいると知り、「俺は絶対挨拶に行かないといけない」と感じたといいます。長崎から東京の学会に行くたびに挨拶を重ねるようになり、そのご縁が後にインプラント治療の権威であるブローネマルク教授との出会いにもつながっていきました。「あれが本当になかったら、今の先生とのご縁もないですし、ブローネマルク教授との出会いもないですね」。動画制作を通じて、人とのつながりがどのように積み重なってきたかを、改めてたどり直す時間になったようです。
妻には見せていない動画を、娘たちは見て感動していた
完成した動画を見たスタッフや家族の反応について、伊藤様は印象的なエピソードを語ってくれました。
「うちの娘たちもこの動画を見て、初めてお父さんのことを」知ったと、感動していたといいます。娘たちが生まれる前の出来事、学生結婚をして経済的に苦労した時期の話などは、これまで聞く機会がなかったようです。「飲むたびにそういう話をしても、子供たちなんて聞こえないじゃないですか」。動画というかたちだからこそ、最後まで見てもらえたのではないかと伊藤様は感じています。「これ多分書籍だったら、そんなに読まないですよね」。
一方で、「うちの嫁には見せてないんですけど」という一言には、会場からも笑いが起きました。「見せたらどういうことになるか、ちょっと怖いですよね」。妻も知らない話が含まれているとのことで、家族の間でも動画の扱いに少し違いがあるようです。
さらに小さなお孫さんに見せたときの反応も印象的だったといいます。3、4歳の子どもに動画を見せたところ、「めっちゃキャッキャキャッキャ言いながら喜んでました」。動きのある映像表現やBGM、効果音が、世代を問わず楽しめる仕上がりになっているようです。
クリニックのスタッフに見せた際には、「伊藤先生がこんな人生歩んでこられたんだったら、私もついてきます」という言葉をもらったといいます。「一番身近な人からなかなかそんな言葉はもらえないですもんね」と、伊藤様自身も嬉しそうに話していました。
周囲に見せたことで生まれた、新しいつながり
動画を見た周囲の反応は、家族やスタッフだけにとどまりませんでした。伊藤様の知人である大学教授の女性が動画を見て、「この病院に行きたい」と話してくれたといいます。これまで会ったことのない相手にも、動画を通じて人柄や歩んできた道のりが伝わった出来事のひとつです。
伊藤様は今後、海外向けの展開も検討しているといいます。海外でのプロジェクトに関わる機会があり、動画に英語の字幕をつけて活用する案を温めているそうです。「先生の人柄とか、本当にうまくやれば伝わるかもしれませんね」というやりとりも交わされ、今後の活用の幅を感じさせる場面でした。
自分の歩んできた道を、伝えたい人へ
最後に伊藤様は、これから動画を作る人へのメッセージとして、聞き手の姿勢に感謝を伝えていました。「忘れたことをよく引き出してくれる」聞き方をしてもらえたことで、自然に話ができ、過去の出来事がまとまりやすかったといいます。
何度も話して聞き飽きられていたはずの物語が、8分程度の動画になったことで、家族にも、スタッフにも、初めて会う人にも、まっすぐ伝わるようになりました。伊藤様にとって、感動ムービー®は単なる映像作品ではなく、これまでの人生のつながりを再確認し、新しいご縁を生み出すきっかけになったようです。
プロフィール 伊藤道一郎様(歯科医師) ご利用サービス:感動ムービー® 熊本県出身。長崎での開業を経て、現在は熊本でオーラルサージャリーデンタルクリニックの委員長を務める。骨量が少ないなど治療が難しいインプラント症例を専門に手がける。クリニック経営に加え、国内外でのセミナー登壇や国際プロジェクトへの参画など、幅広く活動している。


























