BtoB企業のマーケティング担当者から、「動画を始めたいが何から手を付けたらいいか分からない」というご相談を多くいただきます。特に中小BtoBでは、予算と時間の制約の中で、どのフォーマットから着手すれば投資が回収できるのかが見えにくいのではないでしょうか。
結論を先にお伝えします。BtoB動画マーケティングは、購買プロセス(認知→比較→稟議→契約)ごとに動画の役割を分けて設計し、資産型(会社紹介・経営者ストーリー)と流通型(SNS・ウェビナー)を並走させるのが再現性の高い型です。当社は経営者ストーリー動画「感動ムービー®」を173本制作し、満足度96.8%をいただいてきました。この実感値からも、購買の判断基準は「モノ」から「ヒト」へ移っていると捉えています。
本記事では、BtoBとBtoCの違い、動画が今必要とされる背景、主要な7つの型、中小BtoB企業がつまずく落とし穴、経営者ストーリー動画という選択肢、そして導入から成果までのロードマップを順に紹介します。自社の動画設計を見直すきっかけになれば嬉しく思います。
BtoB動画マーケティングとは|BtoCとの違いを整理する
BtoB動画マーケティングとは、法人取引の意思決定プロセスに合わせて動画コンテンツを配信し、認知獲得から契約後の関係維持までを後押しするマーケティング活動のことです。BtoCと違い、意思決定に複数人が関与し、検討期間が長く、稟議書という関門もあります。
| 比較軸 | BtoB動画 | BtoC動画 |
|---|---|---|
| 意思決定者 | 複数関与者(担当者・部長・決裁者) | 1人(消費者本人) |
| 検討期間 | 数か月〜1年 | 数分〜数日 |
| 動画の主目的 | 信頼構築・稟議支援 | 購買喚起・衝動促進 |
| 主要指標 | 商談化率・営業資料視聴率 | CVR・購買率 |
| 主な配信面 | 自社サイト・ウェビナー・営業資料 | SNS・広告・動画プラットフォーム |
※出典:当社(感動ムービー®)2,000名以上のセミナー参加者へのヒアリング/2026年8月時点の整理
BtoBとBtoCで動画の役割はどう違うか
BtoCの動画は「短尺で刺して即購入を促す」設計が中心です。BtoBの動画は「複数の関与者に長期にわたって信頼を積み、稟議を通してもらう」設計になります。この違いを無視して、TikTok的な短尺バズ動画をBtoBに流用しても、商談化にはつながりにくいのが実感です。
弊社が2,000名以上の経営者とセミナーを重ねる中でも、「バズった動画が商談に繋がらない」という声を何度もいただきました。BtoBでは、視聴した担当者が上司や決裁者に「共有したくなる」動画かどうかが問われます。
購買プロセス(認知→比較→稟議→契約)別に動画を並べる
BtoBの購買行動は、認知・興味・比較・稟議・契約という段階を踏みます。それぞれの段階で担当者が知りたいことは違うため、動画も1本で完結させるのではなく、複数本を配置して導線を作る発想が現実的でしょう。
例えば認知段階なら「業界課題の解説」、比較段階なら「導入事例・製品デモ」、稟議段階なら「経営者による約束メッセージ」といった役割分担ができます。
「短尺で刺す」よりも「信頼を積む」設計になる理由
BtoCが「衝動」を狙うのに対し、BtoBは「合意」を狙います。合意には材料が要り、材料は積み重ねで用意するしかありません。動画1本でクロージングするのではなく、購買プロセスの各接点に動画資産を置いておく。この地味な設計が、後から効いてきます。
なぜ今、BtoB企業に動画マーケティングが必要なのか
BtoBの購買担当者が、営業に会う前に自力で情報収集を終える傾向は年々強まっています。Wyzowlの2024年調査では、BtoB購買者の89%が検討段階で動画を視聴したと答え、そのうち78%が動画が判断に影響したとしています。当社の体験セッション1,200人でも、「営業に会う前に見てもらえる資産が欲しい」という声は増える一方です。
BtoB購買者の情報収集行動の変化
Gartnerの2023年の調査では、BtoB購買プロセスにおいて、営業担当者と接点を持つ時間は全体の17%程度にとどまり、残りの大半は自社サイトやレビュー、動画などの独学に費やされているとされています。営業に会うタイミングが遅くなるほど、その手前で見てもらえる動画資産の重要度は上がるのが自然な帰結ではないでしょうか。
動画は文字の約5,000倍の情報量を伝えられる(当社調査)
当社がこれまで173本の経営者ストーリー動画を制作し、視聴者アンケートを重ねてきた中で、動画は文字の約5,000倍の情報量を、約22倍の印象で伝えられることが分かってきました。特に、経営者本人の表情や声のトーンといった非言語情報は、テキストではどうしても再現できません。
視聴維持率も、当社の平均で約60%を維持しています。数分の動画でも、途中離脱せずに最後まで見てもらえるかどうかが、BtoBでは商談化率に直結してきます。
AI検索時代に「引用される情報源」になるという副次効果
ChatGPTやGoogle AI Overviewといった生成AI検索が普及し、上位10位表示への依存度は76%から38%へ低下したという調査もあります。この流れの中で、動画に付随するタイトル・説明文・トランスクリプトがAIに引用される機会が増えているのは、副次的だが見逃せない効果です。TOYNOVAの解説動画(YouTube)でも、AI時代のBtoBマーケターの勝ち筋として「型化」と「差別化」の両輪が語られていました。
BtoB動画マーケティングの主要な7つの型と使いどころ
BtoB動画にはいくつかの定番フォーマットがあり、それぞれ狙う購買フェーズが異なります。全部を一度に用意する必要はなく、自社の課題フェーズに合う型から1本ずつ整えていく順序が現実的ではないかと考えています。
- 会社紹介・サービス紹介動画
- 経営者・専門家の解説動画
- 採用ブランディング動画
- 経営者ストーリー動画(当社の本業)
- ウェビナー・セミナー動画
- 製品デモ・機能説明動画
- 導入事例・お客様の声動画
※出典:当社(感動ムービー®)173本の制作実績・1,200人の体験セッションから抽出(2026年8月時点)
会社紹介・サービス紹介動画(認知〜比較)
「まず自社を知ってもらう」役割の動画です。トップページ・営業資料・展示会ブースなど、あらゆる接点の顔になります。1本作れば数年単位で使い続けられる資産型であり、投資対効果が高い定番と言えます。
製品デモ・機能説明動画(比較〜稟議)
「何ができるか」を実際に見せる動画です。比較検討段階の担当者は、テキストのカタログよりも動くデモを求めます。稟議書に添付できる短尺デモがあると、決裁者の判断が早まる傾向を実感しています。
導入事例・お客様の声動画(比較〜稟議)
「他社が実際に使ってどうだったか」を語ってもらう動画です。FLUEDが公開したYouTubeでも、BtoB動画の中で最も商談化に効いたのは導入事例動画だったと語られていました。第三者の言葉は、自社が語る100の言葉より重い場合があります。
ウェビナー・セミナー動画(比較〜商談)
ライブで開催し、録画をアーカイブ資産にするフォーマットです。参加者アンケートで検討度合いを把握できる利点があり、当社もこれまで213回のセミナーを開催し、2,000名以上の経営者にご参加いただいてきました。
経営者・専門家の解説動画(認知〜信頼)
自社の経営者や技術専門家が、業界課題や自社の哲学を語る動画です。YouTubeで継続配信することで、AI検索時代の引用ソースにもなり得ます。Salesforceの動画マーケティング戦略を解説するトップランナーマーケティングの動画でも、経営者の顔出しコンテンツが信頼構築に効いていると分析されていました。
経営者ストーリー動画(信頼〜継続関係)
創業のきっかけ、失敗経験、そこから見出した信念を、5〜10分のストーリーで語る動画です。「なぜこの会社と付き合うのか」という感情的な合意を作り、価格競争から抜け出す手がかりになります。当社の本業であり、これまで173本を制作してきた領域です。
採用ブランディング動画(採用面と受注面の両輪)
社員インタビューやオフィスツアーを通じて、働く人の顔を見せる動画です。採用が主目的ですが、取引先が「どんな人たちがいる会社か」を確認する副次的な効果もあります。
中小BtoB企業がつまずく3つの落とし穴


当社がこれまで173本の経営者ストーリー動画を制作し、1,200人以上の体験セッションで経営者の悩みを聞いてきた中で、BtoB動画マーケティングでつまずくパターンには共通点があると感じています。予算やスキルよりも、設計の思想でつまずいているケースが多いのです。
落とし穴1:機能訴求ばかりで「誰がやっているか」が伝わらない
「うちの製品はこんなに高機能です」を並べた動画は、比較検討段階では効きますが、認知や信頼構築の段階では読まれずに終わることが多いのが実情です。BtoBでも、最終的に稟議を通すのは「人」だからです。
セミナーで経営者の方々にお会いすると、「同じような機能を持つ競合と価格で叩き合ってしまう」というお悩みをよくいただきます。この状態を抜けるには、「誰が」「なぜ」「どんな想いで」その事業をやっているかを伝える動画が要る、というのが当社の見立てです。
落とし穴2:本数至上主義でSNSに疲弊し、資産化しない
「毎週1本、SNS向けの動画を出そう」と決めて始めたものの、3か月で担当者が疲弊し、更新が止まる。よくあるパターンです。SNS動画は流通型で、消費されて流れていくものが大半のため、投稿を止めると数字も止まります。
一方で、会社紹介・経営者ストーリーといった資産型動画は、1本作れば数年単位で効き続けます。中小企業ほど、リソースを本数競争ではなく資産型に集中させる判断が生きてくるのではないでしょうか。
落とし穴3:外注任せで「自社の言葉」が失われる
制作会社に丸投げすると、テンプレート化された「よくある企業動画」ができあがり、他社との違いが出ないという声もいただきます。外注そのものが悪いのではなく、脚本や語り口を自社の言葉で握れているかが分かれ道です。当社では、体験セッションで経営者ご本人と数時間かけて言葉を掘り起こしてから制作に入るようにしています。
『経営者ストーリー動画』というBtoB動画のもう一つの選択肢
BtoB動画マーケティングの主流は製品デモや導入事例動画ですが、購買の判断基準が「モノ」から「ヒト」へ移りつつある今、経営者の人生ストーリーを動画化して信頼構築の資産に変えるアプローチも広がってきています。当社はこれを本業として173本を積み上げ、満足度96.8%をいただいてきました。
| 指標 | 数値 | 出典 |
|---|---|---|
| 制作実績 | 173本(累計) | 当社実績(2026年8月時点) |
| 満足度 | 96.8% | 当社アンケート(2026年8月時点) |
| セミナー開催 | 213回/2,000名参加 | 当社実績(2026年8月時点・累計) |
| 体験セッション | 1,200人 | 当社実績(2026年8月時点・累計) |
| 全国ツアー | 35ヶ所 | 当社実績(2026年8月時点・累計) |
| 広告費ゼロで累計売上 | 1.8億円 | 当社実績(2026年8月時点) |
「感動ムービー®」とは何か
弊社では、経営者の人生ストーリーをイラスト動画にする「感動ムービー®」というサービスを提供しています。実写ではなくアニメで表現することで、経営者ご本人の負担を減らしつつ、失敗体験や挫折といった感情的なエピソードも扱えるのが特徴です。
私たちが大切にしているのは、「人は、理解し合うことで幸せになれる」という信念です。BtoB取引においても、担当者が経営者の背景を理解できたときに、価格ではなく信頼で選ばれる関係が生まれると捉えています。
なぜイラスト動画か:失敗体験や挫折も表現できるから
実写動画では、経営者本人が過去の失敗や挫折を語ることに心理的な抵抗が生まれがちです。イラストなら、当時の情景や感情を客観的に描写でき、視聴者にも受け止めてもらいやすくなります。当社の視聴維持率が平均約60%を維持しているのも、この距離感の設計に理由があるかもしれません。
【エピソード:背水の陣での創業】 創業時、周囲からは「動画1本にそんな時間と費用をかけて売れるのか」という声もありました。しかし、1ヶ月後には160万円の売上を達成し、そこから広告費をかけずに累計1.8億円の実績を積み重ねてきました。世界20カ国・600社以上で導入されている教育メソッド「ほめ育」の開発者、原邦雄氏からは「人生でNo.1の体験」という評価をいただいたこともあります。
士業・専門家・BtoBサービス業に選ばれてきた理由
弁護士・税理士・社労士・行政書士といった士業、コンサルタント、BtoBサービス業の経営者から選ばれてきました。共通しているのは、扱う商品・サービスが「経営者自身の人柄・哲学」と結びつく業種であることです。感動ムービー®導入後、10日で300万円の売上を立てた企業もあれば、1回のプロモーションで500万円を超えた事例もあります。
導入から成果までのロードマップ|社内で回すか外注するかの判断軸
BtoB動画マーケティングを始めるとき、内製と外注のどちらで進めるかで悩む声を多くいただきます。判断軸は「動画の目的」と「更新頻度」ではないでしょうか。ここでは、当社の実践から見えた現実的なロードマップをご紹介します。
※出典:当社(感動ムービー®)173本の制作実績と、1,200人の体験セッションから整理(2026年8月時点)
STEP1:目的と購買フェーズを紐づける
いきなり「どんな動画を作るか」から入らず、「今、自社が最も詰まっている購買フェーズはどこか」を見立てるのが最初の作業です。認知が足りないなら会社紹介・経営者ストーリー動画、比較検討で負けているなら製品デモ・導入事例動画、というふうに逆算していきます。
STEP2:内製・外注・ハイブリッドの判断表
更新頻度が高いSNS動画・ウェビナー録画は内製、資産化する会社紹介・経営者ストーリー動画は外注、というハイブリッドが現実的な運用だと考えています。資産型動画は10年単位で使い続ける前提のため、脚本設計や演出品質が投資対効果を左右するからです。
STEP3:小さく始めて資産化するKPIの置き方
1本目から本数を追わず、「営業資料への埋め込み率」「商談前視聴率」「稟議書添付率」といった営業直結の指標を1〜2個決めておくと、成果が可視化しやすくなります。SNSの再生数だけでBtoB動画を評価すると、判断を誤りやすいという声もいただきます。
参考事例:導入10日で300万円、1回のプロモで500万円超
感動ムービー®の導入後、10日で300万円の売上を立てた企業もあれば、1回のプロモーションで500万円を超えた事例もあります。共通していたのは、動画を単発の広告ではなく、営業・SNS・ウェビナー・稟議のあらゆる接点に組み込む「多面展開」を最初から設計していた点でした。
関連記事: – 経営者ストーリー動画とは|自己ブランディングを加速する動画活用の全体像 – 動画ブランディングの基礎|信頼で選ばれる会社の作り方 – 中小企業のブランディング|広告費に頼らずファンを増やす方法
よくある質問(FAQ)
Q1. BtoBでも動画マーケティングは本当に効果がありますか?
A. Wyzowlの2024年調査では、BtoB購買者の89%が検討段階で動画を視聴したと回答しており、購買前の動画視聴は主流になりつつあります。当社の体験セッション1,200人でも、「営業に会う前に見てもらえる資産になる」という声を多くいただきます。ただしBtoCと同じ短尺・バズ狙いではなく、購買フェーズごとに動画の役割を分けて設計することが前提です。
Q2. 予算が限られる中小企業でも取り組めますか?
A. 取り組めます。当社がお会いしてきた中小企業の多くは、まず1〜2本の資産型動画(会社紹介・経営者ストーリー・主要サービス説明)から始めています。当社自身も、広告費に頼らず信頼構築で伸ばした事例として、広告費ゼロで累計1.8億円の実績を積み重ねてきました。
Q3. 製品デモ動画と経営者ストーリー動画は、どちらから作るべきですか?
A. 検討フェーズが遠い(まだ課題認識段階の)お客様が多いなら、まずは経営者の想いを伝えるストーリー動画で信頼を積むのが向いている可能性が高いです。すでに比較検討段階のお客様が多いなら、製品デモ・導入事例を先に整えた方が商談化しやすい傾向にあります。当社の体験セッションでは、自社リードの温度感を見立てるところから一緒に整理していきます。
Q4. 動画は自社で作った方がいいですか?外注した方がいいですか?
A. 更新頻度が高いSNS動画・ウェビナー録画は内製、資産化する会社紹介・経営者ストーリー動画は外注、というハイブリッドが現実的な選択肢です。理由は、資産型動画は10年単位で使い続けるため、脚本設計・演出のクオリティが投資対効果を左右するからです。
Q5. 感動ムービー®はどんな業種のBtoB企業に選ばれていますか?
A. 経営者・個人事業主・士業(弁護士・税理士・社労士・行政書士)・専門家・起業家の方々に多くご利用いただいています。共通しているのは、扱う商品・サービスが「経営者自身の人柄・哲学」と結びつく業種であることです。当社では全国35ヶ所でセミナーを開催し、2,000名以上の経営者とお話ししてきました。
おわりに
BtoB動画マーケティングは、購買プロセス全体を動画資産で支える長期戦です。短尺のバズを狙う設計ではなく、担当者から決裁者まで複数人に「共有したくなる」動画を、購買フェーズごとに配置していく地味な積み上げが後から効いてくる、というのが当社の実感です。
これからの時代、経営者の人柄や想いをどう伝えていくかが、BtoB取引でもますます重要になっていくのではないでしょうか。あなたの会社では、営業に会う前のお客様に、経営者のどんな顔を見せていますか。
私たち感動ムービー®は、これまで173本の経営者ストーリー動画を形にしてきました。もしBtoB動画マーケティングの設計や、経営者ストーリー動画にご興味があれば、お気軽にお問い合わせください。

























